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平安女流歌人2 赤染衛門 |
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栄花物語
倫子から彰子へ |
赤染衛門「あかぞめえもん」と読む。
もちろん本名ではないけれど、他の女流歌人と違って赤染というのはれっきとした名字で赤染時用という人の娘である。 道長の正妻、倫子の家庭教師を務め、その娘の彰子サロンでも紫式部、和泉式部とともに引き続き家庭教師を務める。 彰子サロンには紫式部の方が先に参加していたようだが、年齢、実績ともに彰子サロンの家庭教師群の筆頭格だったと思われる。 また栄花物語正編の作者として見られる。 栄花物語は仮名中心の歴史物語で女性から見た当時の歴史が語られている。 |
紫式部日記 |
辛口な批評をする紫式部が赤染衛門にたいしては誉めることしかしてない。
赤染衛門の旦那は大江匡衡(おおえのまさひら)という人なんだけど夫婦ラブラブで有名で、紫式部日記では冗談混じりにそのことも書いている。 以下 紫式部日記より 丹波守(大江匡衡のこと)の奥様を彰子さまや道長さまは(旦那さんとラブラブだから)「匡衡衛門」と呼んでからかっているわ。 特に家柄が良いわけではないけれど、すごく風格がある人で、「わたしは歌が上手いのよ」と何かにつけ出しゃばるようなことはしないで、私が知っている限りではTPOに合わせて詠む歌はこっちが恥ずかしくなるくらい上手だわ。 この方と比べて、ヘッタクソな歌を詠んでドヤ顔している人とかがいるんだけど、そういう人見てるとムカつくのも通り越していっそ哀れよね。 結局最後に悪口かよ! |
公任の辞表 |
公任が斉信に抜かれて拗ねて辞表を書いたときの話し。
なお引きこもってから辞表提出まで半年ほど出社拒否していたっぽい。 当時の辞表は中国形式で書く必要があって、専門的な書式でもあったからか、公任は漢学に通じている知人に辞表を書いてもらうことにする。 出来上がりに満足できない公任が3人目に依頼したのが友人である匡衝だった。 四納言と親交があって時折、彼らの代筆をしていた匡衝だったが公任が「ここが気に入らない」とも言わずに依頼してきたので困りきっていると妻の赤染衛門が 「公任はプライド高いから『うちの家系は要職に就いてたんだから、今回の人事には納得いかない』ってのを入れたらいいじゃない」 とアドバイスしてくれて、その通り書いたら公任も満足してその辞表を正式に提出した。 辞表を受け取った一条天皇は公任の位を1つ上げて、斉信と同じ位に引き上げた。 それに納得して公任も機嫌を直して職場復帰したとさ。 (十訓抄より) 夫婦の会話文でも当時は妻から夫には敬語が主流なんだけど、この時の赤染衛門は夫にタメ口を使っていることからもラブラブだったということが分かる。 |
百人一首 |
52番
「やすらわで ねなましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな」 「ためらわないで 寝たかったのに (あんたが来ないから) 夜更かしして 傾いていく月を 見るハメになっちまったわよ こんちくしょう!」 来る来る詐欺をかました恋人のせいで、寝てしまいたかったのに徹夜する羽目になった女性側が相手にムカついて送った歌。 この女性がさ、赤染衛門本人じゃないのよ。 姉だか妹がそういう目にあって赤染衛門に 「彼氏がムカつくから代わりに歌を作って!」 と頼んで代筆した歌なんだとさ。 妹の彼氏に妹のスマホから妹のフリして文句のDM送るってことでしょ??ムリムリムリ! ちなみにこの来る来る詐欺をしたヒドイ彼氏は道長の兄の道隆です。 |
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